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若い人でもなる可能性が?!サルコペニアとは

サルコペニアとは?

サルコペニアは、ギリシャ語で筋肉を意味する「サルコ」と喪失を意味する「ペニア」を合わせた造語です。主に加齢によって全身の筋肉量と筋力が減少し身体機能が低下した状態のことをいいます。

サルコペニアは高齢者に多く、75~79歳の男女のおよそ2割はサルコペニアに該当するといわれています。いわば老化現象にあたるのですが、実は20~30歳頃にはすでに進行が始まり、生涯にわたって進行し続けるのです。

サルコペニアは主に加齢が原因です。年齢を重ねると、運動量の減少とともに成長ホルモンなどが減少します。加えてタンパク質が不足しがちになり、筋肉が作られる量よりも分解される量の方が増えてしまうのです。

しかし、高齢者に限らず若い方でもサルコペニアになる可能性はあります。

サルコペニアは2つのタイプに分類される

サルコペニアには、加齢による「一次性サルコペニア」と、加齢が原因でない「二次性サルコペニア」の2つのタイプがあります。 それぞれ、どのようなものか説明していきます。

一次性サルコペニア

加齢以外に明らかな原因がないものをいいます。 加齢によるサルコペニアは筋肉が衰弱していき、筋肉量が減っていくことが原因です。

「加齢性サルコペニア」とも呼ばれています。

二次性サルコペニア

二次性サルコペニアは、以下の3つに分けられます。

①活動量に関連するサルコペニア ②疾患に関連するサルコペニア ③栄養に関連するサルコペニア

①の『活動量に関するサルコペニア』は、寝たきりや運動不足が要因となって筋肉量が減ることで起こります。デスクワークが中心で日頃の活動量が少ない方は、活動量が原因であるサルコペニアになってしまう可能性が。

②の『疾病に関するサルコペニア』は、心疾患やがん、肥満、外傷など病気やケガが要因となって引き起こされます。

③の『栄養に関するサルコペニア』は、エネルギーやタンパク質不足などが原因となります。

二次性サルコペニアの場合、その原因を取り除くことで症状改善が見込めます。そのためにも、どのような原因でサルコペニアになってしまっているのかを把握しておくことが大切です。

サルコペニアの兆候

サルコペニアを疑う症状として

・転びやすくなる、よくつまずく

・短距離の移動や立っているだけでも疲れる

・歩くスピードが遅くなる

・握力が弱くペットボトルの蓋が開けにくい

・手すりにつかまらないと階段を上がるのが困難 など

このような兆候がみられたら要注意です。

心配な方は、次のセルフチェックで確認してみてください。

サルコペニアのセルフチェック

1.指輪っかテスト

ふくらはぎ周囲の長さを測る「指輪っかテスト」という簡単な検査法にり自分でチェックすることができます。

1. 椅子に座り、両足を床につける

2. ふくらはぎの太い部分を、両手の親指と人差し指で輪っかを作って囲う

3. 指の輪っかがどのような状態かで評価する

ふくらはぎの一番太い部分が、両手の親指と人差し指で作った輪よりも小さく隙間ができれば、サルコペニアである可能性が高いと考えられます。指輪っかテストでは、体格にある程度比例する手の大きさを用いることで、ふくらはぎの筋肉量が体格に比べて維持されているかを自己評価できます。

2.開眼片脚立位テスト

1. 滑りにくい床に立つ

2. 両手を腰に当てる

3. 片足を床から5cmほど上げ、そのままキープする

片足立ちは60秒を目標にキープしましょう。立っていられる時間が15秒未満の場合は注意してください。特に8秒に届かなかったら要注意。筋肉量が低下し、サルコペニアの可能性が高いと考えられます。

サルコペニアの対策・予防するには

サルコペニアの対策は、ズバリ、食事と運動と良い姿勢。

適度に身体を動かす

適度に身体を動かすことで、サルコペニアの改善や予防に役立ちます。

頑張りすぎず、まずはご自身のできる範囲でウォーキングやちょっとした体操を日々行うように心がけてみてください。

ラジオ体操など、馴染みのある運動から始めてみるのもいいかもしれません。

栄養バランスの良い食事を摂る

サルコペニアの症状には、運動だけでなく、栄養バランスが整っている食事を摂ることも必要です。

特に重要なのが、タンパク質。タンパク質は筋肉を作るうえで、欠かせない栄養素です。1日の摂取目安は、体重1kgあたりおよそ1.2~1.5gとなっています。例えば、体重が60kgの方であれば、毎日72~90g程度のタンパク質を摂取することが求められます。

タンパク質は、肉、魚、大豆、卵、乳製品などの豊富に含まれるので、このような食材を意識的に摂取することが大切です。また、タンパク質以外の栄養素もバランス良く摂取するように心がけてください。

姿勢を良くする

サルコペニアは、全身の筋肉量と筋力が減少し身体機能が低下した状態。

逆に、良い姿勢とは、全身の筋肉のバランスがとれていて、機能的に使えている状態。

普段から良い姿勢を心がけることで、全身の筋肉が使われ筋力の機能低下が最小限に抑えられます。また内臓機能の働きもよく、取り込んだ栄養素もしっかりと全身に届けられることから、対策には必要不可欠であると言えます。

サルコペニアは高齢の方に多い症状ですが、年齢に関係なく若い方にも起こり得る症状です。普段から適度な運動運、バランスの取れた食事、正しい姿勢でサルコペニアを予防していきましょう。

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