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姿勢パターン別、筋膜リリースの方法

「筋膜リリースって良く耳にはするけど、詳しいことはよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、筋膜リリースの概要や、自宅でのやり方についてご紹介します。

筋膜とは何か

筋膜とは筋肉を包んでいる膜で、身体全体にはりめぐらされています。筋繊維や器官、神経などとも連結していて三次元的に全身を覆っており、第二の骨格とも呼ばれています。

筋膜は、皮下組織にある『浅筋膜(せんきんまく)』、筋肉の上をボディスーツのように覆い三層構造になっている、『深筋膜(しんきんまく)』、筋肉の表面にある『筋外膜(きんがいまく)』、筋外膜が筋肉の中に入り込み筋の束を包む『筋周膜(きんしゅうまく)』、筋周膜が筋の束の中に入り込み筋線維1本1本を包む『筋内膜(きんないまく)』の5つからなっています。すべての筋組織はお互いに滑りあうように動きます。筋膜には筋肉を保護する作用、筋収縮時の滑りを助ける作用、血管や神経、リンパ管を支えて通過させる機能があります。

筋内膜以外の筋膜はコラーゲン繊維とエラスチン繊維でできており、コラーゲンとエラスチンはお互いに協力し合って身体の形を整えたり、身体の動きに合わせて形を戻したりしています。

筋膜に機能異常がみられると、本来はサラサラの水溶性の基質が粘っこい状態になり、筋膜全体の滑りが悪くなります。また、筋膜を通っている血管や神経、リンパ管などの通過部分が圧迫されて循環障害などが起こります。

筋肉を正しく動かすためには、これら筋膜が柔軟に動くことが必要なのです。

筋膜リリースとは

同じ姿勢を長時間とり続けることや、悪い姿勢のまま座っているなど、不必要な負担が体の一部分に集中して筋肉が固まり、それにともなって筋膜も自由度を失います。そうなると筋膜はよじれてこわばり、筋膜の上にある皮膚と筋膜の下にある筋肉がそれぞれ動きづらくなります。

筋膜は全身につながっているので、ほかの筋肉や筋繊維にまで動きの悪さが波及し、痛みや筋力の低下、柔軟性の低下、日常生活活動の低下などがみられるようになります。

筋膜のよじれやねじれを解消して、正しい筋と筋膜の伸長性と筋肉の動きの回復を促すのが筋膜リリースです。

筋膜リリースの効果とは

筋膜リリースを実施することで身体のバランスが整い、身体が軽く感じられるようになります。継続することで身体が動きやすくなり、身体の良い状態を維持することに役立ちます。また、以下のような効果を感じられます。

  • 肩凝りや腰痛の予防や改善
  • 冷え性・むくみ予防や改善
  • 姿勢改善
  • トレーニングの効果向上
  • スポーツやダンスなどのパフォーマンス向上
  • 運動後のクールダウンやリカバリーをサポート

筋膜リリースのやり方

フォームローラーやボールを使用した方法

フォームローラーや、トリガーボールは、様々なメーカーから、素材、形、硬さの違う商品が販売されています。ご自身に合うものを見つけてみてくださいね。

ボールは2個つながったもの、または、2つのボールを筒状の柔らかい素材のものに入れて使用いただくのがおススメです。

猫背改善(肩コリ・首コリ)

肩こりの原因は肩や肩甲骨周辺の筋肉が引っ張られて硬くなった状態。デスクワークや、長時間のスマホの操作、バッグを持ったりと日常的に緊張が高まりやすい部分です。

ここでは、引っ張られた背面の筋肉をリリースしていきます。

①床に横になり、マッサージボールを背骨を挟むように、肩甲骨の下に置きます。

②両手を左右に広げて、大きく深呼吸しましょう。

③左右にゆっくりと体を軽く揺らします。

④肩甲骨の下部~上部とボールの当たる場所を変えながら行っていきましょう。

巻き肩(肩コリ・首コリ)

巻き肩は文字通り、肩が前に引っ張られている状態。胸の前の筋肉が非常に緊張しているせいで肩は前へ前へとでてきてしまいます。

ここでは、胸の筋肉、また逆の脇の後面の筋膜をリリースしていきます。

①床にうつ伏せの状態で寝ます。

②片側の脇の下に、フォームローラーを置きましょう。

③上体を少し上下に揺らしながら、胸の筋肉や脇の下をゆっくりと体重をかけながらほぐしていきます。

④脇の下にローラーを置いたまま、体を横に向けていき、脇の後ろ側もほぐしていきます。

⑤逆側も同様に行ってください。

反り腰(腰痛)

反り腰は、骨盤が前傾し、腰への負担が大きくなった状態。

腰周辺の筋肉を緩めることも大事ですが、腿(特に内側)の筋肉を緩める事も重要です。

ボールを使ったリリース

①床にあおむけで両膝を立てて寝ます。

②2個のボールを背骨を挟むようにして腰の部分に当てます。

③ゆっくりと両足をそろえた状態で左右に交互に倒していきます。

ローラーを使ったリリース(内腿のリリース)

①床にうつ伏せで両肘をついた体勢をとります。

②片脚を膝を曲げた状態で横に出し、その下(内腿)にローラーを置きます。

③乗せた脚がローラーの上をスライドするように、乗せた脚を逆の脚と両肘を使って、体を左右にゆっくりと動かしましょう。

④逆の脚も同様に行ってください。

ローラーを使ったリリース(前腿のリリース)

①床にうつ伏せで両肘をついた体勢をとります。

②両腿の下にローラーを置きます。

③ついた両肘と、つま先で身体を前後させながら、腿の前をリリースしていきます。

④体勢を変えながら、外腿や硬いと感じる部分もほぐしていきましょう。

X脚・O脚(膝の痛み)

X脚、O脚は下肢全体+骨盤の歪みが原因と言えます。

脚のリリースは上記で述べましたので、ここでは骨盤周辺お大きな筋肉である殿筋をほぐしていきましょう。

ボールを使ったリリース(お尻のリリース)

①床に膝を立て座り、体を支えるように両手を後方につきます。

②片側のお尻の下にボールを置き、膝を曲げた脚のボールの置いてある側の脚を外側に開くようにして倒します。開いて閉じてをゆっくりと繰り返しましょう。

③ボールの位置を変えながら行ってください。

④逆側も同様に行ってください。

ローラーを使ったリリース(ふくらはぎのリリース)

①床に脚を伸ばした状態で座り、体を支えるように両手を後方につきます。

②両膝の下にローラーを置きます。

③脚を左右に揺らし、ふくらはぎをほぐしていきます。

④また、ふくらはぎがローラーを前後にスライドするように、お尻を持ち上げた状態で両手を使い身体を前後させる動きも効果的です。

注意点:

筋膜リリース中はある程度の痛みをともないますが、慣れないうちは激しく痛むことがあります。最初は体重を軽くかけて、イタ気持ちいぃ程度から始めるようにしてください。

先にも述べましたが、全身の筋膜は繋がっており、痛みや症状がその部分だけではないということです。

ぜひAI姿勢分析で定期的に姿勢測定をしていただき、結果を見て、緊張している部分があればこまめに筋膜リリースやストレッチ、トレーニングを行ってくださいね。

不調のない健康的な身体を維持していきましょう。

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